54.コリキが気になるハチ…
タマの世界征服
 
  @熊本 工藤工務店タマの世界征服TOP > 目次
  54.コリキが気になるハチ…
 

すっかり暖かくなり、とても過ごしやすくなった。縁側では今日も猫たちが気持ちよく寝転がっている。ハチは縁側で伸びながら、塀の方を見つめていた。

「そういえば、あれからコリキは来ないな…」

そう考えながらウトウトとしている。

「最近コリキはこなくなったね。」

何気にタマがシロちゃんに話しかけた。

「そうね、静かでいいわね。飼い主がしっかり繋いでいるのよ。」

そうか…コリキは家を抜け出せないんだ…ウトウトしながら話を聞いていた。

「父さん、今日は公園に行かないの?」

キジコがタマに聞いた。

「そうだな、今日はこのままここでゴロゴロしようかな。」

「え~公園に遊びに行きたいな。」

白玉が言ってきた。

「白玉、庭で遊ぼうよ。」

キジコが言うと、庭へ飛び降りた。白玉もそれに続いた。白玉とキジコがじゃれあうの薄目で見ながらハチは考えた。

「僕は何でコリキの事が気になるんだろう…僕たちと仲良くなりたいって言ってたし。」

じゃれ合う二匹を見ながら

“また来ないかな…”ハチはそう考えた。


冷たい風が吹き込んできた。気が付くと日が暮れそうだ。昼間は暖かくても陽が落ちると同時に寒くなってくる。

「そろそろ中に入ろうよ。もうすぐご飯だよ。」

「そうね、私は小太郎のところへ帰るわ。」

そういうとシロちゃんは庭へ出た。

「白玉とキジコはどうするの?」

二匹はまだ遊び足らないようだった。

「もう少し遊びたいな。」

「それじゃ今日はここにいなさいね。」

そう言うとシロちゃんは垣根の下をくぐり姿が見えなくなった。タマもリビングへ入って行った。ハチはいつものように塀に登り周りの景色を見渡した。

「ちょっと寒いな~」

身震いをしてハチも部屋のなかへ入って行った。

                        
タマの世界征服 TOP
@熊本 工藤工務店
 Copyright(C) 2011 Kudou All Rights Reserved